あらゆる投資には「旬」がある。



そう野菜や果物と同じように投資には「旬」があります。

ここ数年の狂乱の不動産投資ブームがいよいよ終焉に向かいつつあります。

銀行融資が閉じられた今、ブログやtwitter等のSNSで煽るような投稿は減っていますし、ブックオフの不動産投資本のコーナーはどんどん縮小されてきているのを実感します。

(今は不動産から米国株にシフトしてますね)

不動産投資の「旬」はすでに終わりつつある今 昔の書籍はほとんど役に立たない過去の成功物語ととらえていいでしょうし、今さら「私がこれから不動産投資をするとしたら」「お勧めの不動産投資本」などという甘い言葉に惑わされないようにしましょう。

今の時代、これからしばらくの間は全く参考になりません。

それは情報発信者が 自分のポジションを維持したいためで、決して 今が不動産投資の「旬」ではないことは意識することが重要です。

だって素人さんに不動産投資に関心を持ち続けてもらわないと その情報発信者のyoutubeの収入や執筆料が無くなるわけですから、こういう外部環境無視して「不動産投資はいいですよ」って言うわけです。

先日も ある方の不動産投資相談を受け、さいたま市周辺の物件をリサーチしたのですが、私がもっとも積極的に買った時期に600万前後だった物件が800万で売られていたりします。

さいたま市でこの状況ですから、都内のワンルームの価格は15年前に比べ かなり暴騰しています。

取り組みやすく 価格が低いワンルームでも この暴騰ですし、大きな融資が出ない今は不動産投資をすべきではないのかもしれません。

「レバレッジ」という言葉を「少ない元手で大きな資金を借りれ、他人資本で運用できる」というのはある意味 間違いではないですが、逆流を始めたら、破産しかねない大きな出血を伴うことを触れられている本は少ないです。

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唯一参考になるのはこの本ではないでしょうか?

不動産投資の中でも、一時スルガの融資をつけて地方高利回りRCが流行りましたが、5年程度でそのブームは終焉し、地方高利回りRCの情報発信をしている人を探すのが難しいほどになりました。

ブームで買ってしまった人は 次に買う人に融資が出ない、出口が見えなくなった今 その物件と一生涯(←ここ重要)付き合っていかなければならなくなりました。

不動産投資では「資産の入れ替え」をすることが富を増やすことにつながるのは自明の理ですが、それも難しくなったでしょう。

購入した人はそういう来るべき将来を想像できなかったのでしょうか?

地方RCが爆死した今は郊外や地方の戸建てが逆風になっています。

必ずこういう戸建てを勧める方のセールストークが

いくら人口が減っても

①戸建ての賃貸需要は無くなることはない

②実需向けに売れるのでは出口は明確

賃貸需要が減ることはないかもしれませんが、もしそういう天国のようなエリアがあったとしても なぜ地域に精通した地場のプロ(戸建てを立て続けなければいけない建売業者)がそこに新築の戸建・賃貸併用住宅などを立てないのでしょうか?賃貸需要が減らない理由を明確にしなければなりませんし、またその天国のような時期がこれから何年続くのでしょうか?(←ここ重要)

私は都心のブランド立地や利便性の高い立地しか投資しません。

それはブランドは劣化しないし、利便性は不変だからです。

(門前仲町で数年前に悲惨な事件がありましたが、すでに多くの人が忘れていると思います)

私鉄の特急停車駅が各駅停車になることはありません。

2路線利用できるのが1路線になることは永遠にありません。

また実需に売れるという理由ですが、たとえ500万という安い戸建てとしても、周辺にそんな物件がどんどん増えていくんですよ。(←ここ重要)

もし実需に売れる価格帯でも、買うほうは選び放題になりますから、多くの物件と比較され その物件が無事に出口を迎えられるのでしょうか?

たまにショッピングセンターが近くにあるからというコメントも見かけますが、アメリカはどうですか?ネット通販に押されどんどんショッピングセンターが廃業しています。

これ 日本でもすぐ(数年後)ショッピングセンターが廃業するような時代が来ると思います。

平日は所在なげな老人がお金落とすことなく、暇を潰ししているだけですから、当然商売にならないのは誰にでもわかるはずです。

当然 地方、郊外ですから 賃貸需要も減っていく(←ここ重要)でしょうし、エアコンの交換やクロスの張替えなど現状回復の費用もバカにならないでしょうし、建物の不備などがあったら投資資本などあっという間に吹き飛んでしまいます。

数年前は戸建てマンセー的な風潮でしたが、どうして このような逆風になったのでしょうか?

それはやはり不動産投資本やメディアの影響が大きいと思っています。

本を執筆した築古戸建てのインフルエンサーの方も この戸建ブームで売り抜けているなんて話も聞きます。

投資にはいつの時代も「旬」があります。

本来 投資は、そんな旬が来る前に、誰も知らないとき、競合のプレイヤーが少ないときに仕込むからこそ大きな果実がつかめるのではないでしょうか?




コメント

  1. イヴ より:

    ご無沙汰しております。
    10年くらい前に800万で買った錦糸町の区分が、今は2000万まで値上がりしていて腰抜けましたよ。いつから錦糸町がそんな高値の付くナウい場所になったのやら。
    最近の業者のセールストークは「その当時買った人は安く買えたけど、今ほど金利が低くなかった。だからトータル的に見たら同じ」です(笑)
    年末突発オフ会なんてあったんですね。残念。また開催して下さい。

    • ぴおほう より:

      イヴさん コメントありがとうございます。お久しぶりです。
      何?3倍ですか?そりゃウハウハじゃないですか?そういうのがあれば含み益もあって、インカムもあっていいですよねえ。地方では絶対にありえませんね。含み損はあるわ、インカムも安定しないわ、しかも売れないわ。三重苦じゃないですか?