30代でセミリタ・FIREしてはいけない3つの理由

相変わらずのFIREブームで、30代でセミリタ、FIREする方が多いようです。

私は3つの理由で30代でセミリタすることに否定的です。

①30、40代は会社で学ぶことも多く、それを放棄するのは機会損失と考えること。

これは大企業勤務の人には特に当てはまるかもしれませんが、やはり大企業でしか出来ない仕事もありますし、20代や30代前半で仕事の大きな成果を出すことは稀かと思います。

また仕事を通じて 尊敬する人に出会えたりすることもあるでしょうし、私自身は、法人営業だったので、業界の多くのキーパーソンとビジネスが出来たのは貴重な経験になっています。

新卒から30代までは営業一筋で、その間に部下の育成なども経験できましたし、40代になって事業戦略を策定する部署や 新入社員を教育する部署、関連会社(2社)に出向し、同じグループ会社で仕事の進め方が全然違うことも経験でき、50人近い部下をマネジメントする経験もできました。

こういうことは会社員でなければ経験できないことですし、たった数年働いただけでこういうチャンスを失ってしまうのは非常にもったいないことだといわざるを得ません。

特に事業戦略を策定する部署に配属になったときは、今までの営業とは違う脳を使うので、かなりストレスだったのを覚えています。

(一年のうち、9ケ月は机の上で経営戦略の読書w、年明けに経営戦略会議で経営陣に答申みたいな)

若くしてFIREした人は サラリーマンを早く辞めているわけですから、将来 もし再びサラリーマンに戻るとしても、大した職歴もなく 希望の職業に就くことは困難を極めるでしょう。いやほぼ無理でしょう。

②もちろん サラリーマンを長くやることは将来の年金受給に有利であること。

これは若くしてFIRE、セミリタした人で言及する人はほとんど皆無ですねえ。

50歳前に年金手帳が来ますので、いやがおうにも 将来の年金受給額を意識せざるをえません。

もちろん 早くからセミリタした方は将来もらえる年金も微々たるものです。

正直 80歳過ぎて投資で資金稼ぐのはかなり難儀な話ですし、こういう年齢になって毎月12万円もらえるのと、毎月3万円しかもらえないのでは 生活にゆとりがまったく違うと思います。

現在80-50問題などが社会問題化していますが、20~30年後には、これが常態化していきます。今は年金をもらえる親世代に、仕事のない子供世代という構図ですが、FIREを早くした人は 年金をもらえない親世代と、仕事のない子供世代になる可能性が高いのは留意しておかなければなりません。

だいたい こういう人たちは「日本の年金制度には期待していない」といいますが、果たして年金制度が崩壊するでしょうか?

確かに受給額が減らされたり、受給開始年齢が後ろ倒しされることはあるでしょう。

ただ 日本の年金制度が破綻することはないと思います。(受給年齢が近づいてきたので、希望的観測も含みますが)

本当に30代でセミリタした人は、将来の年金をどのように考えているのでしょうか?

③地方や郊外の築古不動産を買ってのセミリタはさらにタチが悪い。

はて?地方や郊外の築古不動産を買って、その収益及び賃貸需要があと何年続くのでしょうか?

正直、人口減少、世帯数増加(単身)、空き家の増加はものすごいスピードで進んでいます。

これを楽観視している方は 外部環境について あまりにも楽天的すぎなんじゃないでしょうかね。

もちろん 地方、郊外の築古不動産は、今後益々客付けも厳しくなりますし、売却も容易ではなくなるでしょう。

(そもそも 札幌などは10年前から客付けが厳しいと言われていました。10年たって、その状況は改善されたのでしょうか?私は益々厳しくなっていると思いますよ)

先日 ある地方の投資家さんの 地方物件も出口は全然ありますというコメントがありました。

①そもそも価格帯が安いので、買える投資家がたくさんいる。

②激安で購入しているため、高い利回りで売りに出せる。

これが理由だそうですが、これは興味深いですね。

登場人物が「投資家」しかいないですよね。

たしかに不動産を売却するのは 都内の区分も投資家が主な対象ですが、まずそのボリュームも違いますし、今後は一生独身で都内のワンルームを「実需」として買う人も増えてくると予想しています。

はて?

現在の戸建て投資ブームが終わったとき、誰に売りますか?ブームってそういうもんだって地方RCの時に学んだんじゃないでしょうか?

昨年 地方不動産に投資をされている某リートの決算説明会に行きましたが、地方で投資していいのは〇〇だけだと思いますよ。プロの視点はきっとそういうところなんでしょう。

私自身も27年もサラリーマンをやってきて、学ぶことも多かったと思っていますし、会社でなければ出会えないような人とも一緒に仕事をする機会に恵まれました。

もちろんブラック企業に就職し、もう働きたくないという人や、もともと怠け者気質の人がいることも否定はしませんが、年をとって「しまった!」とならないようにすることが必要だと思います。

正直 セミリタ、FIREした後の自営業はサラリーマンに比べて 収入が安定しないのは間違いないですし、若いうちから 長期間にわたって こういう荒波に乗り出すのは相当な覚悟が必要じゃないでしょうか?

コメント

  1. とおりすがり より:

    あなたは若くしてリタイアする人と、地方で不動産投資している人が鼻につくようですねw

    でもね、若くしてリタイアできる人は、時間という大きな価値があります。会社で学べることなんて狭い世界の話ですよ。そして失敗しても、若いうちならやり直せます。かぼちゃみいたいに、勉強せず買っては駄目ですけど。

    あと都心投資と地方投資は、どちらの投資が優れているとか、リスクが高いとかありませんよ。どちらも成功する方法はあるし、実際どちらも成功している人がいるので、そこの議論は不毛です。

    あなたがマンション投資で堅実に成功したことは立派ですが、そこに到達するのはそれなりの時間がかかったでしょ。だからと言って、早くリタイアした人を批判したり、人の人生やチャレンジにとやかく言う必要はないかと思いますよ。

    あと、戸建ては現金で買えますからね。地方RCの出口が無くなるロジックは関係ありません。いつの時代もリターン率の高い物件を買いたい人は一定数いますので、地方=出口がないというのは大雑把過ぎて説得力に欠けます。消滅する地方はあるかもしれませんが、残る地方もあります。