私 意識的にFIREという言葉を使いません。
「FIRE」と「セミリタイア」って似て非なるものだと思っています。
「FIRE」ですが、厳しい言い方をすれば、「忍耐弱い、打たれ弱い20~30代のゆとり世代の人が、厳しい社会に耐え切れずにただたんにドロップアウトしている」状態なんじゃないかと思います。
FIREした人で たまに「時間は有限だ!」的なことを言う方もいらっしゃいますが、20代で社会人経験の少ない中 やりたいことをやるより、組織の中で我慢することを覚えたり、仕事を通じて成功体験を得ることの方が何倍も価値があると思います。
私もこういうゆとり世代の人達と仕事してて???と感じたことがあります。
一つは「契約社員の採用」時に、入社2~3年目の契約社員と 契約社員として入社を希望する学生の対話の機会を設けたのですが、すでに入社している契約社員が
「この部署は正社員になりやすいからおすすめ」的なことをいう訳です。
前職は早慶及びそれに準ずる大学の出身者以外はほぼ正社員になれません。
契約社員から実績を積んで正社員への登用の道はあるのですが、私がいた部署は契約社員の数も少なく、比較的容易に正社員になれるのは事実でした。
(もちろん事業部長などの経営層も「人を育てた」的な実績が欲しいもんだからすぐ正社員にさせたがる)
本来であれば こういう面接の場では、「仕事のやりがい」や「職場の雰囲気」を伝えるのが主なのに、裏口入学的に社員になれるってのを場をわきまえずに話をするのはどうなんだろうなあと感じましたね。
もう一つは クレームなどの緊急対応時に なんでもかんでも簡単に仕事を受けてくることで呆れたことがありました。
私は法人営業を長くやっていました。
大和証券さんの仕事でクレームが発生しました。
もちろん 非がありますからお詫びし、対応策を提案するのが仕事なのですが、なにせ 先方に言われたことを全部受けちゃう(笑)
たしかに担当の人はお怒りでしょうが、それをなだめて調整するのが法人営業の本来の仕事のはずなんですけどね。。
最悪 財務担当に持ち株の関係を調査したもらったり、先方の役員と同窓で関係性のある役員がいないか探して調整を図ってもらったりしてもいいのかもしれません。
(もちろんコカコーラのように契約でがんじがらめにする会社はサンドバックのように殴られるのみですが。。。)
そんな年端もいかないゆとり世代の若手セールスマン(女性)が なんでもかんでも言われた仕事を請けるものだから現場は大混乱。
過去にそんな経験をしましたが、今はそのゆとり世代の若者たちも もう30代になっていると思います。
あなたの会社でも日々大混乱しているんじゃないですか?(笑)
さてそんな若くしてFIREした人たちの大きな問題は 厚生年金払っていないことで貧困老後確定なことでしょうねえ。(運よく事業で成功していればいいのですが)
年を取らないと思っているのか?年金制度が無くなると思っているのか?はたまた生活保護でいいと思っているのか?
もしお子さんがFIREしたいって人は8050問題になることは覚悟しておいた方がいいかもしれませんよ。
さてそんなリスクたっぷりな「FIRE」ではなく、「ビジネスマンとしてもある程度の経験を積み、さらに厚生年金を確保し サラリーマンを定年よりちょっと前にリタイアし、新しい生き方(金融資産の構築を含め)を模索する」のが「セミリタ」の定義だと考えています。
私自身はこの記事のように、着実に老後対策を進めています。
今のままで行くと毎月の厚生年金(会社員として27年払込+起業後4年払込)も70歳までがっつり払い込む予定ですし、70歳以降は毎月15万円くらい(見込み)は終身でもらえる予定です。
こうしてみると 刹那的に好きなことだけを若いうちからやる「FIRE」という言葉と、ある程度社会人として経験し、最大のリスクである長生きリスクをすでにほぼ克服した「セミリタイア」って明らかに違うものであるのは間違いないと思います。