不動産投資のリタイアは「事業」だから社会性がある。さて配当やインデックスでのリタイアは?

不動産投資 いや不動産経営には 社会的な意義があります。

「入居者さまに安心、安全かつ快適な生活の場を提供する」というのがそれです。

これは 不動産経営に携わるものにとって 当然のミッションになります。

不動産経営に携わる人は、給湯器が壊れたら すぐにでも物件に駆け付け対応し、入居者さまに不満を感じさせないような体制をとっておく必要があります。

また お客さまである入居者を獲得するための客付け業者、入金の管理をするための管理業者、リフォームをするためのリフォーム業者など お客さまの満足を最大化するためにチームを自ら組成する必要があります。

今年の流行語で言えば「ONE TEAM」ですね。

当然 お客さまの満足度の見返りとして「家賃」という成果物をいただくわけですが、その家賃という収入を 税引後で引き直し、無駄な税金を取られないために、税理士を雇うなどで常に最新の税制をアップデートしなければなりませんし、法人を持つことで、社会保険料を削減したり、法人保険や小規模企業共済などの節税商品に加入したりすることで、個人の納税額を最小化し、その分を法人で法人税を納めることで結果的に節税する等のグランドデザインを自分の意思で(←ここ重要)描かなければなりません。

また 不動産投資は経営ですから 常に自身の法人のPLはもちろん、BSの状態を最適化しておくことが望まれますし、そのために 追加の物件の購入や 稼働率が落ちた物件を売却するなどして 今手持ちの物件を 常にキープフレッシュしていかなければなりません。

これを何十年 下手したら死ぬまで行うわけですし その資産を子供たちに円滑に引き継ぐためにも 相続等の知識も必要になるわけです。

そう考えれば 不動産経営は そんなに簡単に参入できる事業ではないのかな?と思っています。

特に長期間かけてじっくり取り組むことが苦手な人には向いていないと思いますし、長期間の社会環境や人口構造の変化等の見通しが甘い人には 「経営」ですから厳しい結果が突き付けられるかもしれません。

そう考えれば 不動産経営は 時間をかけてワインのようにじっくり熟成させながら 資産形成していく投資と言えるのではないでしょうか?

不動産経営でお金の流れを作り、リタイアした人は、自身の「ONE TEAM」のブラッシュアップのため また自身でDIYするなどセミリタイア後も忙しくしている人が多いです。

(私のように戸数が少なく、稼働率が高い、とかなりの暇人になりますが)

またハワイや海外に 不動産の物件さえ買ってしまえば、たとえ現地でゴルフ三昧だとしても 飛行機代や宿泊費も「視察」という名目で必要経費として認められるでしょう。(←ここ重要)

セミリタイア後に 宅建を取り 自ら宅建業者になって転売事業にいそしんだり(スターマイカなど上場企業もあるので社会性はあるのでしょう)、賃貸業者になったりする人もいます。また中にはマンション管理士になって 定年後のアルバイトとして生活費の足しにするような人も多いと聞きます。

私自身は サラリーマン時代から 不動産取引の基礎を学ぶために宅建、マンションの管理を学ぶために管理業務主任者、PL、BSを理解するために簿記、税金や資産形成を学ぶためにFPの資格を取ってきました。

(別に資格で食うわけではないのでCFPや簿記1級は不要です)

いずれも難しい試験ではないので、最低限 これらを取得する、勉強することは 不動産経営をする上では 必要な資格です。

翻って 株の配当やインデックスの取り崩し等でセミリタした人の セミリタ後の社会との接点ってなんだろう?と考えることがあります。

おそらく銘柄の研究、入れ替え等を行うのでしょうが、不動産経営の「社外との接点の多さ」と比べれば 社外と接する機会は圧倒的に少ないと思いますし、ほぼ無いのではないかと推察しています。

この社外との接点の少なさは 孤独な状況に直面し 相当な精神的な強さが必要とされるのではないでしょうか?

私も孤独耐性かなり高いと思いますが、これが低い人は はっきり言ってサラリーマンに逆戻りすることも十分考えられるでしょう。

(同僚や部下と冗談をいったり 軽口をたたけるのは相当貴重なことです)

いくらお金がちゃりんちゃりんと入ってくる仕組みが作れても 社会との接点がないと早晩息詰まることも考えられますし、私自身は 退屈でしょうがないと思います。

日経マネーのセミリタ特集で twitter界隈でまたぞろセミリタが話題になっていますが、セミリタ後の社会性という観点で どちらが自分に向いているかを勘案しながら 資産形成に取り組んでいってもいいかもしれませんね。