数年前までは 地方RC物件を買うことに誰も疑問を挟みませんでした。
しかし あの狂乱ブームから5年たってどうでしょうか?
融資が出ないこともありますが、もう地方RCを買おうという奇特な人はほぼいなくなってしまいました。
おそらく今後 融資状況が好転しても、買い手はほとんど現れないと思った方がいいと思います。
さて 今 人気の中古戸建。
私も何度も検討し、城東など都内中心に物件を見に行きましたが、本当に立地を選ばなければ 今後 地方RCのように売れなくなるのではないかと危惧しています。
まず 同じような物件は 日々増えていきます。
団塊の世代が一次所得した郊外の戸建てが、ご本人が亡くなる、息子たちは都心のマンションに住んで相続しないなどで、どんどん空き家化しています。
この同じような空き家がどんどん増えるというのは、買い手にとっては比較対象が増えるわけですから、売り方には当然 不利な状況になります。
貴方が日常生活で物品を購入するときを考えてください。また世の中は 常に需給のバランスで成り立っていることを忘れてはいけません。
また 実需で売れるでしょう?みたいなことを言う方もいますが、本当ですか?
果たして 誰が買うのでしょうか?
面積の広い戸建てでしょうから 買いたい単身者は少ないでしょう。
そうなるとファミリーが対象になると思いますが、実はこれ 思ったよりハードルが高いと思っています。
先日 tweetしましたが、溝の口からバス便のエリアを歩く機会がありました。
不便な場所なのに、新築の戸建てがバンバン建ってて 4000万台と高額なのに ほぼ完売なんですよね。
正直 これにはびっくりしました。
こういう郊外に住むファミリーのペルソナですが、ご主人はおそらく地元の工場や中小企業にお勤めの年収400万前後の方なのではないかと思います。
ただ このご主人の年収だけを考えてはいけません。
実は こういう人達の奥さんもパートに出ていて年収200万くらいあるパターンも多いですから あっという間に世帯年収が600万になります。
またこういう人達は両親が近所に住んでたりしますので、親の援助も期待できます。
実は世帯年収600万に合わせて、親の援助を考えれば なんちゃって準富裕層の仲間入りです。
これだけの金融資産があれば、500万や1000万のボロ戸建てを買う必要なんてないわけです。
またこういうファミリーで考えなければならないのが 日本人特有の「見栄」です。
昔も今も、子供をいい大学に入れたがるのは、もう日本人の習性である「見栄」以外の何物でもありません。
家選びにも この「見栄」が大きく影響すると思っています。
子供が学校の友達を500万のボロ家に呼びたいと思いますか?自慢できますか?
地方だと500万で売られていたということは近所の方も周知の事実でしょうから、より一層、子供に恥ずかしい思いをさせたくない親心が働くのではないでしょうか?
正直 中古戸建も 地方RCと同じようにある種のブームになっているのは皆さん 共通認識だと思います。
果たしてそのブームを煽っている方は誰でしょうか?
実はそういう方もすでに売り抜けているかもしれませんし、(某メディアでそういうことを言ってたとか言っていないとか)自身で中古戸建を売却し、利益確定したことのない方のブログなどの情報発信も あまりにも楽観的に過ぎると感じています。
ほんとに売れるのかどうなのか?さらに慎重になって(←ここ重要)、常に時価を把握する そんなことが重要じゃないかと思っています。
満室だから大丈夫?
逆に満室の間にもどんどん競合が増えていることも認識しておく必要があるのではないでしょうかね。
退去した5年後に 賃貸需要が想像以上に冷え込んだ、実需にも売るに売れない状態ほど悲惨なことは無いと思います。